世界日報3面 総合 2013/09/07 - TopicsExpress



          

世界日報3面 総合 2013/09/07 【社説】日露首脳会談/北方領土返還に全力挙げよ  ロシアのサンクトペテルブルクを訪問した安倍晋三首相は主要20カ国・地域(G20)首脳会議に先立ち、ロシアのプーチン大統領と会談した。両首脳は、北方領土問題をめぐる交渉について「友好的で、静かで、落ち着いた雰囲気の中で話し合いを進め、進展することを期待したい」として、外務次官級の協議を進めていくことで一致した。領土交渉に焦りは禁物であり、安倍政権が腰を据えた交渉を行っていくことを期待したい。  汚職で極東整備遅れる露  両首脳は今年4月の首脳会談で、「第2次世界大戦後67年を経て日露平和条約が締結されていない状態は異常」との認識を共有し、停滞していた領土交渉を再開することを盛り込んだ共同声明を発表した。  この共同声明は、1956年の日ソ共同宣言や2001年のイルクーツク声明など、両国政府が交わした諸文書に沿って交渉を加速するよう、両国外務省に対してそれぞれ指示することを明記した。これを受け、8月に開催された次官級協議で、両国の北方領土交渉が再スタートしたのだ。  今回の首脳会談は、領土交渉の再開を踏まえて行われたものだ。米国が軍事介入の方針を決めたシリア情勢が急遽会談の議題となり、さらにスケジュールの関係で時間的制約が厳しい中で、領土交渉については、次官級協議の継続などを確認するにとどまった。  一刻も早い4島一括返還の実現は我々の悲願である。しかし、これまでの領土交渉の歴史が明らかにしているように、焦りは禁物である。したたかなロシアを相手に譲歩を引き出すには、ロシアの弱みを最大限に利用することが不可欠だ。  シェールガス革命により、ロシアの主要輸出品である天然ガスの需要が減少している。ロシアは国家収入の多くをエネルギー輸出に頼っており、影響は極めて大きい。また、ロシア極東地域の人口減少に歯止めが掛からない一方、アムール川を挟んで接する中国の人口圧力が高まり、同地域を中国に奪われることへの警戒感が強まっている。  プーチン大統領は昨年9月にウラジオストクでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を開催するなど、インフラ整備を通じたテコ入れに躍起となっている。しかし汚職などにより計画は遅れており、イシャエフ極東発展相を解任するに至った。ロシアにとって、日本の投資を呼び込むことで極東経済を活性化させることは、大きな意味を持つ。  だからこそ日本の経済カードが有効なのではあるが、これまでの領土交渉の歴史が示すように、ロシアは日本に期待を抱かせ、経済協力だけを進展させてきた。  両首脳は、10月上旬にインドネシア・バリ島で行われるAPEC首脳会議の際に再び会談することで合意した。また、日本とロシアの外務・防衛の閣僚級協議「2プラス2」を11月に東京で行うことも確認した。  したたかな交渉進めよ  これらの機会を最大限に利用し、ロシアのペースに巻き込まれない、したたかな交渉を進めることが必要である。 The Sekai Nippo Co.,Ltd. 1975- Tokyo,Japan
Posted on: Fri, 06 Sep 2013 22:19:28 +0000

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